人の体を傷つける、傷害罪
他人に暴行を加えた末、傷を負わせたり等、傷害を負わせた場合に適用されるのが、傷害罪です。
刑法204条によってこちらは定められており、人の体を傷害した物は、15年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処するとされています。
例えば、ケンカをして相手を殴ったら、相手の顔から血が出ている、歯が折れてしまった、骨が折れてしまったなどは、圧倒的に傷害となります。
勿論ケースバイケースではありますが、正当防衛や精神障害があるなど特殊な事情が無い限り、傷害罪として適用されるでしょう。
また、傷害罪はわざと相手に暴行を加えたかどうかと言う意志も重要なポイントになります。
例えば、走っていたら曲がり角で飛び出してきた相手にぶつかってしまい、相手が膝をすりむいてしまったという場合などは、相手の存在に気がついていないのであれば、わざとでは無い為、傷害罪は適用されません。
勿論こちらも程度によりますが、基本的に傷害罪が成立する為には、わざとその行為を行ったかどうか、結果と相手との間に因果関係があるかどうかなど、動悸なども重要なポイントになります。
また、暴行を加えたとしても、相手がケガ1つしていないという場合は、傷害罪では無く、暴行罪という別の罪に問われる可能性がありますので、間違えないようにしましょう。
状況によって執行猶予や前科が付くかどうかが変わる
一口に傷害罪と言っても、傷害を与えた相手や相手の状況など、傷害罪の内容によっても、執行猶予が付くケースもあれば、初犯でも実刑になり、前科が付くという場合も少なくありません。
例えば、大人の男性が見ず知らずの子供や女性、お年寄りに無差別に暴行を加えて、相手が多大なる傷害を負ったというケースなどは、情状酌量の余地も無いでしょう。
反対に、ケンカで言い争いになった末、むかついて殴ったら、相手が少しすりむいた、くらいでは、初犯の場合、不起訴となることも少なくありません。
あくまでケースバイケース、傷害事件の場合は特に、その時々の状況によって、刑期や刑罰の重さが大きく変わるといえるでしょう。
悪質性が全く無い、軽微な傷害の初犯の場合は、略式裁判によって罰金刑のみで終わる事も多く、今後同じ事を繰り返さなければ、そのまま何も無かったかのように終わる事も少なくありません。